功罪で意見が分かれるサクランボ計算について、塾講師経験からの見解をまとめます。結論は、サクランボ計算は「繰り上がりのある足し算」や「繰り下がりのある引き算」を理解する有力な手段の一つであること。大切なのは、理解した後に習熟するための繰り返し練習できる環境が提供されているかどうかです。
さくらんぼ計算の「繰り上がりのある足し算」とは
塾講師経験が長くても、小学校低学年を指導した経験の少ない自分にはサクランボ計算の功罪議論は寝耳に水でした。同じ寝耳に水だった方のために、次の動画をお借りしました。感謝です。
さくらんぼ計算の「繰り下がりのある引き算」とは
「繰り下がりのある引き算」の動画もお借りしました。感謝です。
さくらんぼ計算の「足し算」は実質「引き算」なのか
つまり、さくらんぼ計算の「繰り上がりのある足し算」は、次のような考え方です。
\(\begin{eqnarray}7+8 &=& 7+(3+5) \\ &=& (7+3)+5 \\ &=&10+5 \\ &=&15\end{eqnarray}\)
この流れの中で
\(\begin{eqnarray}10-7 &=& 3 \\ 8-3 &=& 5 \\ 10+5 &=& 15 \end{eqnarray}\)
の計算をしています。足し算なのに実質引き算じゃないか、小1には抽象的すぎる、というのが反対派の意見なんでしょうね。私の推測ですが。
補数を見つけることを「引き算」と捉えるかどうかが賛否の分かれ目
7にいくつを足したら10になるか。つまり、7の補数を求めるときに、
\(\begin{eqnarray}10-7 &=& 3 \end{eqnarray}\)
の引き算をします。補数を暗記し習熟している子供にとっては、補数を見つけることは「引き算」というほどではないでしょう。習熟していない子供には立派な「引き算」であり壁となるのです。
さくらんぼ計算は目的ではなく一つの手段
結局、さくらんぼ計算がいいのか、水道方式のタイルがいいのか、その他の図による理解がいいのか。
どれを選択するにしろ、目的ではなく単なる手段の選択です。使う時期によっては功罪の議論も出るでしょう。
理解させた後、習熟するまで徹底的な繰り返しの環境を提供できるかどうかが重要だと思います。
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