織姫と彦星の話を知ったのは幼稚園の頃だった。七夕が近づき、短冊に願いを書きこむ私たちに先生が話してくれた。それを聞くまで、星空を見ても天の川の存在を意識することはなかった。七夕の午後、胸をときめかせ幼稚園を後にした。その夜、夜空を横切る白い帯を見上げたことだろう。まだ星の集まりとは認識できない幼い私にとって、天の川は本当に流れて見えたにちがいない。流れて見えた宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」を書いた。(2011/7/05 作)
【自身のコメント】七夕の物語を最初に知ったのはいつだったかなと、必死で思い出してみました。幼稚園の頃の自分の視力がよかったこともありますが、昔の、そして田舎の星空はとんでもなく綺麗でしたね。おそらく、天の川はほんとうに流れていると思っていたはずです。
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