一本の電話【200字作文】

200字作文

 十年以上前に、塾に一本の電話がかかってきた。学習ソフトを売り込む電話だった。当時パソコン初心者の私は、興味深く相手の話を聞いた。それを感じとった相手は説明に熱が入る。だが私が、ソフトは自分で作ろうと考えていると言った瞬間、相手の口調は乱れる。「何考えてんの。専門家でもないのに作れるわけないでしょう」と電話が切れた。反発は感じたが自信も揺らぐ。そうかもしれないという自分の気持ちとの戦いが始まった。(2011/11/30 作)

【自身のコメント】インターネットが普及し始めたばかりの頃です。セールスマンの忠告は当時の常識だったと思います。10年前の作品だから、もう20年以上前の電話ということになります。

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