私が幼稚園児のころ、雨の日の水たまりは絶好の遊び場だった。長ぐつをはいて無事に渡り切れるか競うのだ。帰り道に、広くて深そうな水たまりを見つけると、みんな次々に足を踏み入れた。深みを避けて慎重に進む。でも、泥水でどこが深いかわからない。人のあとを安全に進まないのがお約束。一歩一歩が賭けだった。この緊張感に、あちこちで奇声がもれる。やがて誰かが深みに足をつっこむと、水たまりは悲鳴と歓声につつまれた。(2010/6/04 作)
【自身のコメント】内容は幼いころの一場面を書いただけですが、全体のリズム感を大切に書いてみました。参考にしてください。
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