指導現場で感じる暗算と筆算の境目ラインをお教えします。そのラインが曖昧だと、計算の苦手な子は筆算に頼りすぎ、計算の得意な子はラインを越え無理に暗算でやろうとし、筆算が雑になります。暗算と筆算の境目ラインをしっかり決めた指導が大切です。
暗算と筆算の境目ライン
指導現場で感じる鍛えておくべき暗算の限界範囲を示します。これが暗算と筆算の境目ラインになります。
鍛えておくべき 暗算の限界範囲 | 具体例 | ここまで鍛えるべきと考える理由 | |
たし算 | □□□+□□□ | \(123+198=321\) | 3桁+3桁がどの生徒でも鍛えられる限界 これ以上の桁だと繰り上がりがきつい生徒も |
ひき算 | □□ー□□ | \(53-15=38\) | 2桁-2桁がどの生徒でも鍛えられる限界 これ以上の桁だと繰り下がりきつい生徒も |
かけ算 | □□×□=□□□ | \(24\times9=216\) | わり算の筆算で立てる数を見つけるのに必要 倍数が必要な場面で筆算に頼らなくてもよいので助かる |
わり算 | □□□÷□=□□ | \(252\div3=84\) | 分数の約分で筆算に頼らなくてもよいので助かる |
暗算と筆算の境目ラインが曖昧なことによる2つの弊害
弊害1 計算の苦手な子は筆算に頼りすぎ
暗算と筆算の境目ラインが曖昧だと、難しい計算は筆算でという風潮に流され、計算の苦手な子の計算練習は筆算に偏ります。
ばるぐろ君
筆算に頼りすぎると計算に時間がかかりすぎ、算数嫌いの原因に
暗算で鍛えるというラインを決め、ライン内の暗算は粘り強く鍛えてあげるべきです。
弊害2 計算の得意な子は何でも暗算でやろうとし、筆算が雑に
暗算と筆算の境目ラインが曖昧だと、計算の得意な子は何でも暗算でやりたがるようになります。
ばるぐろ君
挑戦は悪くない。ある程度は挑戦させてもいい。でも、筆算ならすぐ終わる計算に暗算で粘りすぎるようになったら注意信号
無理な暗算にこだわり始めたら、強制的に筆算でやらせ、ていねいに筆算を書く指導も必要です。
暗算と筆算の境目ラインを決め「暗算はすばやく、筆算はていねいに」
計算練習で大切なことは、暗算と筆算の境目ラインをしっかり決め、「暗算はすばやく、筆算はていねいに」をモットーに粘り強く指導することです。
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